今が旬な…


▼Ju87D-1
 ドイツ電撃作戦の初期から大戦後期まで使われたユンカース社の急降下爆撃機です。金属モノコック製と固定脚の頑丈な機体は大型爆弾をかかえた状態での急激なGに耐えるよう設計されたものでした。また、脚の長さを抑えるため逆ガル翼という主翼を採用し、独特のスタイルになりました。
 急降下爆撃では通常爆撃機の行う照準水平爆撃と違って、目標上空数千メートルから30〜45度といった急角度で降下して投弾して1発必中を狙うというサーカスのような技術を要するかわりに、非常に高い命中率を得ることができました。また、速度超過による機体の空中分解を防ぐ蜂の巣状のダイブブレーキは独特のカナキリ音を発し、相手の士気を挫き味方を鼓舞したそうです。
 41年から採用された後期型のD型(1〜5)では1.8t爆弾を搭載することができ、対艦攻撃にも使用されました。ただし、対空武装は7.92mm機銃3門と貧弱で、バトルオブブリテンではイギリスのハリケーン・スピットファイアに叩き落とされ、制空権の無い空域からは次第に姿を消していきました。
 43年からは対戦車攻撃を目的として、主翼下部に37mm対戦車砲を装備したたG型が配備されました。37mmカノンは頑強なT34やKV-1といったソ連戦車の上面装甲をやすやすと撃ち抜くことができました。この機種は、出撃回数 2500回、戦車撃破 500両(一説によると800両)ドイツ空軍鉄足のエースパイロットハンス・ルーデル大佐の愛機としてあまりにも有名です。


「1999.1.1 年賀状」

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